会報「北のみなと」No.55より

北海道港湾空港建設協会
会 長 坂 敏弘
地域の人々の
安全で潤いのある港

 新年度を迎えられる会員の皆様に は決意を新たに、日夜社業に励まれ ておられることと存じます。

 私達の協会は、昨年参議院選挙で の一定の成果等、皆様方の暖かいご 協力により計画した行事をほば遂行 する事が出来ました。

 ここに改めて感謝を申し上げま す。

 また、昨年は台風や強風で道内各 地、特に道南方面の港湾施設等に大 きな被害が発生しました。スマトラ 沖地震による津波では、港湾・海岸 の保全施設が未整備の所ほど、甚大 な被害が発生しております。一日も 早い復旧を願ってやみません。

 私達は船舶やフェリーが利用する だけの港でなく、地域の人々の安全 な生活を守る施設を造っており、優 れた技術の修得と工法の研究に努め ていかなくてはなりません。

 それが私達業界としての地域への 貢献であり、国土の保全は、地域の 安全につながります。

 現在、車は高速道路、鉄道は新幹 線と、より早さが求められて来てお ります。

 ジェットホイル等の高速船もあり ますが、港は“安らぎ・潤いの場" でもあるのではないでしょうか。

 私達が仕事場としている港で“潤 い”を研究しようではありませんか。

 地域の人々の港への思い、港を利 用する人々の願い、港で働く人々の 立場で、どの様な施設が望ましいか を行政・港湾管理者へ提言し、構築 していける協会を目指したいもので す。

 会員皆様と力を合わせて努力して 参りましょう。

 政府の新年度公共工事予算は厳し く、北海道の港湾関係は昨年に引き 続き大幅な減額となっております。 これから、大幅な公共工事削減によ り協会員の皆様は、大変厳しい経営 状況になって来ることが予想され、 各社、生き残りをかける年になると 思われます。

 そのためにも各社、お互いに技術 の研鑽に努めて参りましょう。しか し過度な競争は避け、お互いの設備 内容・得意分野を認める心掛けも、 時には必要ではないでしょうか。

 そして、次世代の人々から「利用 しやすく、安らぎのある港を造り、 残してもらった」と言われたいもの です。