会報「北のみなと」No.59より

    復旧工事
  平成16年9月8日に発生した台風 18号による函館港島防波堤災害は、防波堤延長400mの内、373.5mが転倒・水没するという全国的にも例が無い壊滅的な被災でありました。
  災害復旧工事は、函館開発建設部による直轄港湾災害復旧事業として実施され、平成17年3月以降8本の工事が段階的に発注され、限られた工期の中で平成18年3月無事防波堤の復旧が完了しました。
  復旧事業完了にあたり平成18年 3月22日、函館港島防波堤災害復旧工事完了報告会が、工事実施にあたって協力いただいた地元の事業推進協議会や工事を担当した請負工事各社、また、報道機関等を招待し約 60名の出席により実施されました。


完了報告会

   報告会は、函館港湾事務所毛利所長の挨拶から始り、ちょうど現地を訪れた本省港湾局海岸・防災課内村課長から労いの挨拶を受けました。さらに担当者から災害復旧事業の完了について報告がされた後、出席者全員を完成したばかりの防波堤へ案内し見学と事業完了の記念碑設置式が併せて執り行われました。
記念碑設置は、冬期問も含めこの 3月の完了まで工事め苦労を共にした、 4つの工事の現場代理人にお願いし共同で設置して戴きました。

  設置された記念碑にはこのように刻まれたいます。

『関係者の英知と技術をもって今、ここに完工する』

  今回の島防波堤災害は、私たちが経験したどの防波堤災害よりも、被災原因の究明や復旧方針の決定、そして短期間の復旧完了など困難なものでありました。


設置した記念碑


  島防波堤完了
  幸い被災後すぐに実施された合同調査団の提言により、委員会を設置し、国内を代表する専門家の方々の力を借り、高度な技術と調査や工事の最先端の機材により、無事予定どおり今日の完了を迎えることができたのであります。
  しかしこの外に、当局職員を含む多くの関係者の早期復旧にかける熱い思いを無くして、完成は成し遂げれなかったと思っています。記念碑設置式で、ある請負関係者は完成にあたり“感慨無量"と報道機関にコメントしていました。皆同じ思いであったろうと思います。

『関係者の英知と技術と“熱い思い"をもって今、ここに完工する』
  ご苦労された関係者には、この言葉のほうが相応しく、お礼を込めて 送らせて頂きます。

   この記念碑は新しい防波 堤の上部に埋込まれました がこのケーソンは、2年前 の本被害で無事残ったケー ソンの内の1函であります。台風の激浪に耐え、前 後のケーソン転倒を見届け た唯一の生き証人と言える このケーソンに、後の函館港の安全を託し、埋込まれました。
  災害発生から1年7か月
島防波堤は、安心できる、より強い防波堤に生れ変わり"災害復旧事業は完了しました。

  最後に水災害復旧事業にご尽力いただいた『函館港島防波堤被災調査検討委員会』、『函館港島防波堤災害復旧工法検討委員会』、『函館港島防波堤災害復旧事業推進協議会』の委員の方々、並びに請負工事関係者の皆様。そして、水災害復旧事業を担当し苦労を共にした職員の方々に心からお礼を申上げる次第であります。