北海道港湾空港建設協会

会報「北のみなと」No.65より

北海道港湾空港建設協会
会長 宮﨑英樹

－協会会長就任挨拶－

平成20年4月22日に開催された総会におきまして、退任された坂前会長に代わり会長に選任されました。

会員の皆様の御協力、御支援を得まして当協会の健全な発展のため、微力を尽くす覚悟でございますので、よろしくお願いいたします。

我が国の経済を顧みますと、米国のサブプライムローン問題の深刻化による景気後退の波をかぶり、企業収益の減退、賃金の減少、家計の消費意欲の低下という負の連鎖の中で、景気の先行きに暗雲が漂う状況にあるところです。

このような経済の閉塞感に合わせて、昨年7月の参議院選挙における自民党の歴史的大敗により生じた｢衆参ねじれ国会｣は、任期までに日銀総裁も決められない迷走ぶりや高齢化社会を支える税制・年金改革、膨大な財政赤字や地域間格差の解消など、未だ有効な手立てを見出せず我が国の深刻な政治不安が、国民の失望と不安を徒に掻き立てています。

北海道経済は、全国的な地域経済の疲弊の中でも突出しており、浮揚感のないまま公共投資の縮減と建設投資の減少、併せて原材料価格の上昇を背景として企業収益の悪化などから、雇用、所得環境の減退と社会負担や燃料費の負担増が家計を直撃し、個人消費も低調に推移したままの状況であります。

このような状況の中で、経済波及効果が2兆5,000億円という北海道新幹線の札幌延伸や洞爺湖サミット開催、高規格幹線道路網の整備が北海道経済の起爆剤となるよう期待するところであります。

北海道は四方を海に囲まれ、外国、内国物流のほとんどを海上輸送に依存しており、特に北海道と東アジア各国との物流が大きく増加する傾向になっております。北海道経済の発展、活性化を強力に促進するためには、海上輸送の拠点となる港湾施設の機能強化を図ることが不可欠であります。

また、洞爺湖サミットが北海道の恵まれた自然環境を背景に開催されるように、北海道の自然資源を活用した国内外からの観光客の増大が期待されるところです。観光という観点からの港湾施設の整備、観光客の利便性をより一層向上させる夕ーミナルの整備が必要です。

さらに、北海道は地震、津波などの自然災害を多く経験した地域であり、道民の安心、安全な暮らしを確保するために、耐震強化岸壁、津波漂流物対策施設などの港湾施設の防災機能強化が喫緊の課題であります。

港湾･空港は、道民が豊かで安心した生活が送れるために必要な社会基盤であります。去る5月22日に開催された日本港湾空港建設協会連合会総会において、川嶋会長が活動方針として提唱された「知恵を絞り、その知恵を大いに発信する｣ことを基本として、港湾･空港の着実な整備の重要性を訴えつつ当協会の発展を図って参る所存でございます。

会員の皆様、関係各位の御支援をお願いいたします。